ヱヴァネタバレ全開感想:オタクはあの映画を”楽しむ”義務があるの

■ 結局見ちゃう訳ですよ。
エヴァTV版、旧劇2作を全部3回以上みて、ストーリーも構図もネタもたっぷり堪能してしまったおっさんにとっては、新劇だって見ちゃう訳ですよそりゃ。
序は吉祥寺の古い映画館で、破はTVで序を放送した時のテンションそのままに、新宿までノコノコ出かけて、バルト9でレイトショー。
(当時はお祭り騒ぎもなく、直前のTV放映の時にはまだチケット予約出来たんですけどね)
結局今回も、TVで序→破とやられて、テンション上がってしまって劇場予約しようと思ったら、翌日深夜がギリギリだったという。
Twitterはてな断ちをして、土曜の深夜、一人おっさんがカポーだらけのシネコンレイトショーに向かう訳ですよ。わぁキモい。




■ 見終わった直後

自分のTwitter発言「よっしよくわかった。前から知ってたがアンノはヴァカだw」

Qを見に来たのに、何故か巨神兵実写映画などというシロモノを見せられ、ビーム撃たれた建物があの独特の"間"で爆発するお約束をたっぷり堪能させられる訳です。
もうこの時点で手を叩いて笑いたかったんですが、まだ自重してました。
そして本編。無限に広がる大宇宙で遠心力バトルに、ヴンダー発進ですよ。フライホイールですよ。技術担当のハゲオヤジですよ。
この最初の30分は、「てめぇこれやりたかっただけだろ!wいいぞもっとやれ!w」としか。
ただ、間違いなく力入れるはずの、フライホイール描写がちょっと爽快感に欠けてた辺りで、「あり?この場面急ぎで創ってる?」的な心配はありましたが。


まぁ、そのあとのストーリーなんかおまけですよおまけ。「また雲の切れ間か!」という小ネタもあれば、期待通りに婦女子的なお楽しみの時間もあったので、おまけ扱いするにはアレかもしれません。
しかし、ヱヴァってそういう楽しみ方すべきモノだしなぁ…としか言えないわけで。


若いカポーがボー然としてたり、男性側がが仕方なく付き合わされた女性に言い訳してたり、他のお客を見るだけでも十分に楽しめましたっけ。




■ そして色々しゃべりたくなる1週間

自分のTwitter発言「Q視て思ったけど、もうさ、ヱヴァはルパンと同じく、TV用に2時間、1年に1回新作出せばいいよw とりあえヱヴァ出して、戦闘して、20分はアンノの好きなようにさせて、ストーリーは1話完結にすりゃいいだけw」

庵野監督という存在は実に面白くて、トップをねらえ!不思議の海のナディア〜TV版エヴァ〜旧劇場版エヴァまで、実はやってることは同じなのです。
ストーリーとか全体的な背景とかはどーでもよくて、とにかくノリと面白さだけでアニメ作っちゃう。おまけにそのノリと面白さの基礎は、特撮とヤマト。
旧字体漢数字が乱舞するOP席、ねじ込まれる制御棒、過剰なまでの表示。アクションすれば背中にチャックが透けて見えそうな格闘戦。
これらのオタクの悪ノリが、未だに通用してしまうという辺り、やはり唯一無二の人ではあります。
なので、「庵野に好き放題やらせるタイム」を渡して、何かストーリーをまとめられる人が居れば、傑作が出来るんじゃないかなー、とか思っちゃいます。

RTされまくった、とある方のTwitter発言「 @IngaSakimori: 某所の某映画の感想スレに『思いついた色々な展開をそのまま絵にして繋ぎ合わせてるだけ「物語」になっていない』って書き込みがあったんだけど、それに対して『永野護の悪口はやめろ』ってレスがついてて死ぬほど笑った。それの話じゃねえwwwwwww」

アニメ映画なんてそんなもので、ストーリーや整合性を放り投げてでも、自分の頭に浮かんだモノをガンガン画にして動かして楽しんでる困った人が大勢いますわなw
ヤマトを科学的に考証しだすとツッコミだらけになるなんて話も、今では有名ではありますが、あれにしたってオタクがあーでもないこーでもないと楽しんだ1つの結果。
ヱヴァだけが、そのツッコミから逃れられる訳もありません。そう。批判もツッコミもアリで、それをする極上のネタを提供してくれた庵野監督には、「楽しませてくれてありがと」という言葉が似合うと思う訳です。
もちろん、その後に「だけどアレは無いわ―」「お前フライホイールやりたいならもっとズームすべきだろ」とか、色々ごちゃごちゃ言って、それもセットで"楽しむ"べきではないかなと。




庵野監督に「ちゃんとした作品」をやらせる方法

自分のTwitter発言「誰かエライ人が、庵野監督に「来年でエヴァをキチンと終わらせたら、平成ライダー一本任せるよ」とかコミットしねえかなw」

この後、「ライダーよりウルトラをやりたがるんじゃね?」という冷静なツッコミが来た辺りが、自分のTLの業の深さか。
ちゃんとした作品って何だよって話ではあるんですが、多分ストーリー含め、お約束を守って良い作品が出来るような気がしますw
ただし、庵野監督基準で、ですが。




■ 天才クリエーターには制約を付けるべきだと思う

自分のTwitter発言「クリエーターに「客も金も囚われるな、好きなように創って良い」という体制を整えてしまうのは、結局オナニー作品しか創られないって事なんかもな。黒澤、キューブリックジブリ、そして庵野。といっても見応えあるオナニーだがw/この罠から抜けたのは、トミノだけかもしらんね(^_^;)」

なぜジブリだけスタジオ名かって?そりゃあそこは一応、監督が複数居ますので。
マトリックス」でも見られましたが、大風呂敷広げて人気が出て、金が集まってしまった作品が、観客の納得する形でそれを終結させるケースはほとんどありません。
最終的にはほぼ必ず、天才が趣味に走ってしまい、風呂敷が畳まれる気配すらなく、広げまくって終わるか、広げた風呂敷を燃やしてしまうか、です。
それについて文句を言うなんて野暮でありまして、こっちはあーでもないこーでもないと会話のネタにするのが、一番楽しい。
それを許容してしまうのか?何か違うんじゃね?という冷静なツッコミには、そう出来たら良いよねぇと遠い目をするのがお約束です。
オタクは年季が入ると、ネタには敏感になりますが、諦めも良くなるのです。


つまらないと言ったら負けなんです。そうやって、コンテンツが少ない時期を乗り越えたオタクは鍛えられてきました。


…チクショウ、俺だって今のように、恋愛要素すら抜いたカワイイ女の子だけの日常系アニメでアニメ映画が作られるなんて、うらやまけしからん時代で学生してたかったんだよ!




■ 最後に1つだけ考察っぽいモノを
何故に今回、シンジ君があれだけ邪険に扱われなきゃいけなかったのか?
ここに関してだけは、結構大事なポイントのように感じました。
いくらサードインパクトの原因とはいえ、「次のインパクトを防ぐ」為には、きちんと説明してコミュニケーションしてなきゃいけなかったはずで、それはミサトさんもアスカも判ってたはずです。
何故にあんなにミサトさんがイラついてたのか、たまたまあの日だったのか(最低だ…)、分析する必要があるはずです。
ここで3日位延々と考えてました。そして、結論が見つかったのです。

TV版破を見てた時の自分のTwitter発言「(素っ裸の)綾波ーーー!!!」

そう、破の最後で、シンジ君、(素っ裸の)の綾波に手を伸ばして捕まえるんですよ!
おまけにその状態で槍ぶっさされて、恐らくあの十字棺にみつしりと詰め込まれて(ほう…)宇宙にほうりだされて、そして考えるのをやめるんですよ!
途中アスカに耳元で「何とかしなさいよーー!」と言われて使徒潰す位のサービスはするにしても、14年延々と綾波とイチャついてやがったはずなんですよ!
そりゃシンジ君にイラつくに決まってます。


…なんてバカな結論を出してしまいましたが、更にこのバカな結論を考えていくと、
「ようやくアニメのシガラミを抜けて、自分の事を判ってくれる最高の奥さんを手に入れてのんびりしてたのに、ヱヴァ作れヱヴァ作れと叩き起こされた」
人と、上手く重なるんじゃないかな、とか思っちゃいましたとさ。


そりゃ、シンジ君は、俺達オタクに対して、怒りますわ。w