もう一度、 niconico zeroプレイヤー「には」モノ申さない!

2012/05/01から解禁なった「Zeroプレーヤー」のお話、の続き。
色々利用し、評判を聞き、開発者さんからのアウトプットを拝見して、自分なりに再考をしてみたり。
5/4 0:00の時点で、色々と修正が入った事
・コメント入力欄の常時動画下部表示が可能に
・動画説明常時表示が可能に
も交えて、思考してみた内容を書いてみようかと思います。




■ 恐らく、最初に「動画の拡大リサイズに相当自信があった」事が、新プレイヤー開発の引き金だったんじゃなかろうか。
新プレイヤーで再生する動画窓サイズは、そのまま旧プレイヤーを拡大すればOKという大きさではありませんでした。
旧プレイヤーサイズは、これから急速に進むであろうモニタの高精彩化には耐えられないサイズであり、早急に対応する必要があったはずです。
ニコマスPとしては、画質があるんだから、安易に素材サイズ(古くなら横512、最近では横640)を弄らずにそのままにしてくれと言いたくなりますが、そのサイズではフルHDを軽々と飛び越えてしまったモニタ・タブレットその他で見た場合には、冗談のようなサイズでの再生しかできないわけです。
新プレイヤーのサイズ(横864)はそれなりに十分なサイズですし、ニコ動が溜め込んだこれまでの動画資産の再生でも、画質破綻が少なく見えました。




■ 新プレイヤーサイズでは、UIを変えなければならなかった(かも)
新プレイヤーサイズを画面に乗せてみると判るのですが、動画サイズの画面占有率が半端なく大きくなります。
一般的なPCその他、ニコ動を利用するシーンを考えてみれば、
横 1024〜1920
縦 600〜1200
程度の画面がメインであるはずです。
この中に、864x486の動画がデデーンと鎮座するわけで、サブノートPCなどの画面では、どのようにすればいいのか?
それこそ、他の情報なりUIなりを、どうすれば載せられるのか?
それなりに悩んだはずです。




■ UIの指針はなんだったんだろう?
もちろんこれも推測ですが、
1)とにかく雑多なリンク、ボタン、情報を整理
2)動画再生位置の固定(特に縦位置)→動画説明の折りたたみ、タグ表示の最小化等
3)Metro/iPadなどによるタッチ操作に破綻が無いこと
は、必須だった(と、製作者は思い込んでしまった)のではないでしょうか。
「動画がメイン」で「共通体験」を標榜していたという事であれば、様々な機器であっても、「ニコ動です!」という共通画面を作る必要はあったはずです。


しかし、これによって、
1)は、動画に対するアクション(コメント・マイリス・タグ弄り等)を行う為の手間を増やしました。
2)は、動画説明やタグ情報を楽しむ層にブーイングを引き起こしました。
3)は、マウス利用前提設計であれば可能であった、ボタン・リンクの詰め込みを排除しなければならなくなりました。




■ 何をすべきだったの?それとこの先どうすべきなの?
以前の騒動でもそうですが、ニコ動はユーザーの意見を”聞いているフリをする”のがヘタクソな訳です^-^;
Appleプロダクトでも、その他の成功したオンラインサービスでもそうですが、


基本的にユーザーの意見なんざ、そのまま実装する必要は無いんです。
それに縛られてしまえば、進歩はしても、進化はしません。


しかし、ユーザーの意見を聞いているフリをするのは、とても重要なんです。


新しいモノを出そうとするのであれば、用意周到に準備と仕掛けを行い、テスト版を見せ、その背景とポリシーを説明する。
今回の新プレイヤーにしたって、
「テストしますので、まず気になる人は見てやって下さい。」
「動画が大きくなります。頑張ったから綺麗なはずです。」
「色々UIは整理しなきゃ動画をズバッと見せることが出来ないんでこうなりました。面倒に思った所を聞かせてください。」
とやっていれば、ここまで怨嗟の声が大きくなるわけもなかったはずです。
どういう評価が生まれるか判らんものを、金払ってるユーザーにどばっと展開するなんてありえないでしょう。


ヘビーユーザーとライトユーザーを両立させるのは、とても大変な訳です。
ヘビーユーザーであればあるほど、「操作の短縮化」と「覚えた機能の変動を許さない」方向に行きます。
MS-Officeその他のリボンUI同様、あまりにも増えてしまって不恰好となった機能ボタンを整理し、ライトユーザーに、多くの機能を順番に判りやすく覚えてもらうようにする事は、ヘビーユーザーにとっては我慢ならん手間を発生させてしまいます。
(まぁ、以前から、ニコ動の各種機能は、ヘビーに使おうと思うと「ふざけてんのか」と言いたくなるほど、その機能のUIが甘い事が多々あったりもするわけですが…w)
新旧プレイヤーを切り替えて使えば判るとおり、旧プレイヤーには一目で入ってくる情報が多くなりすぎた面は、確かにあるでしょう。
新プレイヤーでは、画面サイズの制約もあり、ファーストルック画面(スクロール等の操作無く目に入る画面)上で、旧プレイヤー同様の情報を乗せ、1クリック操作可能箇所を大量に盛る事は、したくなかったのかもしれません。




MetroUIの件も含め、これから先、Webコンテンツサービスには、とにかくUIに関して様々な問題が浮き上がってきます。
ここに挙げた通り、
タッチ優先orポインタ操作優先/Windowシステムor1アプリフルサイズ
あまりにもバラけてしまった想定利用者の画面サイズ
の2点だけでも、シロウトな私でも、担当者なら逃げ出したくなるんじゃないかと思うほど、検討しなきゃいけないことが有りますし。
但し、前エントリにも書いた通り、「操作方法/デバイスが1つに決まる未来」はありえないのです。
Look&Feelの重要性も必要ではあるのですが、それぞれに適した画面の追及は継続すべきでは無いでしょうか。




そしてその中で、改善して欲しいという意見に対しては、
「実装するor実装しないならそれなりの根拠を言葉or態度で見せる」
という姿勢が必要なのではないかな、と思います。




ニコ動に足りないのは、ここじゃないですかねw